2022.09/22 [Thu]
英国が泣いた日。
さて、ご存知の通り、エリザベス女王の国葬も無事に終わり、日常を取り戻したイギリスです。
8日に速報が流れた時には、思わず‘えぇ~!’と声が出てしまった私。
女王の年齢や最近の体調を考えたら予想される事態だったとはいえ、イギリス全体をショックと悲しみが襲いました。
女王が亡くなったバルモラル城は公的なお城ではなく、ロイヤルファミリーの私邸のカントリーハウスのようなもので、女王にとっては幼いころから何十年も休暇を過ごした思い出深い場所です。
メディアによれば、バルモラル城で共に夏の休暇を過ごしていたチャールズ国王、アン王女のみが女王の最期を看取ることが出来たようで、急いで駆け付けた女王の他の2人の息子たち、ウィリアム王子そしてハリー王子は間に合わなかったとされています。
翌日、そのバルモラル城からエジンバラにあるHolyroodhouseという、王室がスコットランドを休暇以外で訪問する時に滞在するお城へと棺が移されました。
ちなみに、スコットランドは数年前から英国連邦からの離脱を模索していて、王室廃止論も強いところです。
ですが、そのスコットランドの人々でさえ女王に対する尊敬は別もの、と言われており、エジンバラのThe Royal Mile (その名の通り、一マイルほど続く道)の沿道にはあふれんばかりの人々が集いました。
その後、棺は飛行機にてロンドンへ。
降りしきる雨の中、王室の居城であるバッキンガム宮殿へ。
ちなみに、女王の葬儀、というものは彼女が即位した後、1960年代から討議が重ねられていたとされます。
どのくらい定期的に討議していたかは分かりませんが、様々な状況を想定し、そして女王自身の葬儀への希望なども織り込めながら、進行などが決められていったとされています。
その一つが、霊柩車。国民が自分の棺を見ることが出来るようにと全体ガラス張りに、そして中はライトで照らされるようにと設計の案を出したのは女王自身だったと言われています。
(ちなみに、棺にずっとかけられていた旗は、Royal Standardと呼ばれる王室の旗で、バッキンガム宮殿などにも掲げられている時もありますが、この旗は誰が亡くなろうとも半旗になる事はありません。)
雨の中でも沢山の人々が宮殿に集まり、棺がゲートを通る時には、沿道の警護についている警察官たちも首を垂れ、その様子は、70年にわたって在位した女王への敬愛と亡くした悲しみがみてとれました。
その後は、ウェストミンスターホールへと棺が移され、そこでLying-in-Stateと呼ばれる日本語で言うと、安置式みたいなものでしょうか、一般の人達が女王の棺を弔問し敬意を表しました。
そして、国葬当日。
Skye Boat Songというバグパイプとドラム曲が奏でられる中、砲台に乗せられた女王の棺。
冬の季節に亡くなったビクトリア女王の葬儀の時に、凍結した道で馬が蹄を滑らせてしまう可能性があったため、砲台の使用が取り入れられたそうです。それ以来、君主の棺は砲台に乗せられることになっています。
棺の上には、チャールズ国王自らが選んだ花冠が置かれました。
幸せな結婚を意味するギンバイカ、愛の強さを意味するオーク、追憶を意味するローズマリーなどで作られており、どれも女王の人生において意味をなすものが選ばれており、In loving and devoted memory Charles R と書かれたカードが一緒に添えられました。
今回この砲台の引き手に海軍兵士がなりましたが、それは女王の意向であったと言われています。
王室のメンバーは皆軍務の経験があり、父王であったジョージ6世、夫であったエジンバラ公、そして息子たちもそれぞれ海軍の軍務についていたため、それは自然な選択だったのかもしれません。
ウェストミンスター寺院での、いわば公な葬儀の後、棺はもう一つの女王の居城であるウィンザー城のセント・ジョージチャペルへと移され、そこでは個人的に女王と親交があった人々が集い、Committal Ceremonyという儀式が行われました。
この時もチャペルにいたるまでの長い道にはこれまた沢山の人々が集いました。
また、沿道の両脇にある芝生の上には、女王が亡くなってから人々が献花した花々が置かれていて、言い方は変ですが、きれいな花道を進んでいるようでした。
女王が26年間所有していたというポニーのエマちゃんも棺を静かに見送り?ました。
エリザベス女王の馬好きは有名で、競馬(日本で競馬というと賭け事ですが、イギリスでは賭けもしますが、立派な社交の場という位置づけにあります。)と乗馬両方とも大好きだったようです。
若いころには普通の馬に乗っていた女王も、歳を考えてこのエマちゃんに乗るようになったそうで、90歳を超えても乗馬している姿はメディアの写真にもおさめられています。
そして、チャペル前には、女王が生涯にわたって愛した存在であったコーギー犬たち(現在は2匹)も姿を現していました。
チャペルでの儀式の最後は、女王の近衛隊Grenadier Guardの旗をチャールズ国王が棺にかけ、The Imperial State Crown (大英帝国宝冠)、 Sceptre (王杖)そして Orb(宝珠)が棺から祭壇へと移されました。
その後、日本でいうと宮内庁のトップにあたる人が、Staffと呼ばれる職杖を二つに折り、女王の棺の上に乗せました。
この時をもって、エリザベス女王 二世の治世が正式に終わりを告げた事になります。
そして、女王の棺は地下のRoyal Vaultへと降りておき、父王であるジョージ6世メモリアルチャペルという場所に、両親と妹、そしてエジンバラ公が眠る場所に安置されます。
棺が降りていく時には、女王のお抱えバグパイプ奏者が最後となる哀歌を奏でながらチャペルを去っていきました。
私はイギリス人ではありませんが、何て厳かで(言い方はおかしいですが)美しい国葬だったのだろうと思いました。
イギリスに住んでみて感じる事の一つに、イギリス人と英国旗の距離感が近いなと思う事があります。
日本で自宅の庭に日常的に日の丸を掲げているのを見た事はありませんが、イギリス人の庭に英国旗(ヨークシャーですとたまにヨークシャーの州旗)が掲げてるのをよく目にします。
今回も女王の死去を受けてから至るところで半旗が翻されていました。
その半旗ももとに戻り、10日間にわたる国をあげての服喪の期間も終わりました。
職場のダブルPCスクリーンも全社的にこんな感じでしたが、今日からもとに戻りました。

そうそう、ニュースで、10代の女の子がインタビューされていたのですが、‘女王は私が知る唯一の女王様’と言っていて、はじめ何を言っているの?と思った私ですが、なるほど、これからは国王が3代続くのよね、と思い納得。
この10日間は、高騰する光熱費やインフレ上昇などのニュースも遠いもののように感じましたが、一気に現実に戻された感じです。(笑)
**
週末の3人散歩。
(Daddioの頭の影がおかしいですが。。。)(笑)

色々と大変な世の中だけど、Daddioとファビオとゆっくり穏やかに。。。(*^_^*)
季節の変わり目、皆さんも体調を崩したりしませんように。☆
スポンサーサイト
NoTitle
ファビオ君地方はいかがですか
ほんとに映画のワンシーンのうな映像が連続して見れた葬儀でした
ユーモアに溢れたエリザベス女王でしたね
どこの女王がパディントンベアとの出演を快く引き受けるでしょうか(笑)
チャールズ皇太子が国王になったお蔭で紙幣と硬貨が変わるそうです
私はエリザベス女王の紙幣や硬貨のまんまで使い続けたいなぁ
秋も深まり・・焼きいもが恋しい季節となりました
我が家はそろそろ栗拾い散歩となります
ファビオ地方は栗拾いしますか?
本格的な冬になる前に今の内にいっぱい散歩しましょうね🎶